プジョーのフラッグシップ・508が8年ぶりにフルモデルチェンジされました。
大型のセダンに見えて、実は5ドアハッチバック。
プジョーではファストバックと呼ぶ、セダンでも、ハッチバックでも、クーペでもないデザイン。全長4750、全幅1860、全高1400、ホイールベース2800というサイズで、国産ではマツダのアテンザに近い大きさです。またクーペ風の5ドアという視点では、BMWの4グラン・クーペやアウディのA5スポーツバック、VWのアルテオンに近いクルマです。
一方、これらのどのクルマとも違うのは、先鋭的な内外装のデザインと、リーズナブルな価格。ガソリンターボなら410万円台から用意され、ディーゼルのGT Blue HDiでも492万円。見た目より100万円安い感覚です。
インテリアはプジョーが推進する小さなハンドルの上からメーターを視認するi-cockpit。大きなセンターコンソールや先進的なメーター類、フランス車らしい大きめのシートなど、最新のプジョーらしく独自の魅力にあふれています。
走りも、パワーと低燃費を両立したガソリンPure Techと、ディーゼルBlue HDiの2種類にいずれも8速ATの組み合わせ。そして自動制御のサスペンションや最新のカメラやレーザーを駆使した運転支援システムなど、イマドキの日本車やドイツ車と同等、またはそれ以上の安全性を実現しているようです。
世界でエンジン自動車を発明したのはメルセデスベンツという認識が一般的ですが、実はその前にプジョーが発明したという説も。プジョーは自動車のパイオニアとして、独自の路線や世界観で多くの人を魅了してきました。
SUVブームの昨今、台数が出るクルマではないかもしれませんが、だからこそこれを選ぶことに、少数派としての主張が感じられます。
自分の選択眼に自信がある人が選ぶクルマ。それがNEW PEUGEOT 508と言えそうです。
写真・文 イオ ケンタロウ