日本車と外国車

自動車大国ニッポン。

今から100年以上前にヨーロッパで発明、実用化された自動車ですが、高度成長期後の約50年は、日本の自動車産業が急速に発展しました。

時代を的確にとらえ、安価で信頼性が高く、実用品として申し分ない日本車です。

一方日本車では物足りない人、まだまだ技術的に欧州車に追いついていない個所が多いもの事実です。

では、日本車と外国車の違いとは何でしょう?

スタイル

日本車には「一目でわかる個性」がないとも言われます。メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェなど、その姿はとても特徴的。歴史に裏打ちされた普遍的価値があります。

安全性

平均速度が高い外国で開発、使用される輸入車は高い安全性能が自慢。事故車を持ち帰り、クラッシュダメージの徹底分析や、歩行者保護のエアバックを装備したり、日本車とは安全哲学が異なります。高速からの減速を重んじるブレーキも、装置を摩耗させながら四輪をバランスさせて止まります。安全が商売になり始めて熱心な国産車とは違い、その昔から人命を守ることに真摯に向き合っています。

安全性はドアの閉まる音からも感じることができます。超高速走行を想定されているので、気密性を上げるために、建付けやモールなどしっかりと対策が施されています。

このほか、昔からヘッドレストを定員分付けたり(日本車は足りないものも)、チャイルドシートのことを考え、助手席のエアバックをキャンセルできたりと、真面目な取り組みが目立ちます。

乗り味

”自動車の個性は道路がつくる”とも言われます。いわゆる使用環境が国ごとの個性を決めているということ。アウトバーンが有名なドイツでは高速での走行性能が高く、大陸を走るアメリカは直進走行を重んじ、石畳を走るフランス車は乗り味がソフトなど。国内では開発時に公道試験は禁止。厳格な社内の規定により、社内テストコースで通り一遍に開発を進める日本車に対して、実際の道路でテストを重ね、数値化されない感覚値を重んじる欧州車。経験とテストの差が”独特の乗り味”に繋がっているのです。

ボディ

建築物にも国民性が表れています。堅牢な石やレンガで雨風を防ぐ欧州に対し、日本は木造・瓦葺き屋根で、自然と調和するというスタンス。いわゆる柔と剛。塗装にしても、漆塗りのように「魅せる塗装」をする日本車に対して、欧州はボディを「保護する塗装」という考えが根底にあります。

シート

椅子文化の欧米に対して、日本は畳文化です。我が国も椅子文化が定着していますが、やはりシートに関しては、畳に安らぎを覚える日本人と違い、欧米は人々の生活に根差しています。設計思想やコストのかけ方など、やはり一日の長があります。

足回り

走行性能は、エンジン・ボディ・サスペンションが大きく左右します。欧州車の多くは、乗り味を決めるサスペンション、なかでもショックアブソーバーという部品にイイモノを使っています。日本車でも日本仕様と輸出仕様で、この部品を替えることがあり、速度域の高い国では重要なパーツです。ブレーキも主にパッドを摩耗させる日本車に対して、欧米ではブレーキパッドもローター(円盤状のもの)も摩耗させてストッピングパワーを発生させています。そしてなにより数値では現れない味付けの妙。メーカーにノウハウが蓄積されており、様々な使用環境において、操縦安定性と乗り心地を高次元でバランスしています。

※高性能の裏返しとして、消耗部品の交換寿命が短い傾向にあります。

エンジン

数値を重視する日本車は、最高出力・トルク・燃費など、華々しいスペックで飾られています。一方欧州では実用域を重視するため、数値的には地味でも乗るとイイモノ多数。最高出力とはトルク×回転数で算出されるので、高回転までトルクを維持すれば上がるもの。高回転でパワーは出るものの、通常域では乗りにくくなってしまいます。その点実用トルク(低回転)が高い欧州車は少ない数値でも思いのほかパワフル。エンジンの存在を消そうとする多くの日本車に対して、常にエンジンの働きを意識させる輸入車。エンジンを発明したプライドがあるのかもしれません。

※内燃機関を発展させている輸入車に対し、日本車はハイブリッドや燃料電池技術などハイテク技術に優位性があります。

質感

妙に派手なメーターや色使いなど、どこか子どもっぽい箇所がある日本車にくらべ、たとえプラスチックでも質感を高めていたり、もしくは割り切って思い切りチープにしてみたり、高級車と小型車の個性を上手く演出する外国車。ボディやインテリアの部品同士の継ぎ目など、その隙間の狭さは一見の価値ありです。また小型車は小型車の魅力を追い、高級車は贅沢を知るからこその高級感を演出しています。

まとめ

高級時計が、今や時間を正確に知るというより、その人の個性を表現するファッションアイテムであるように、外国車に乗るということは、「自分のライフスタイルを、より個性的にプレミアムに演出する」ということ。希少性も手伝って、全般的に”所有するよろこび”が高いと言えそうです。そして、車両価格はもちろん、維持費は高騰する日本車と同等なものが増え、保証面では輸入車の方が距離無制限など充実していることも。今や特別な存在ではなくなっています。

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