アメリカ合衆国ミシガン州に本社を置く、世界販売第6位の自動車メーカー。
1925年に「日本フォード」を設立以来、90年以上に渡った日本でのマーケティングを2016年内で終了すると発表したフォード・モーター・カンパニー。GM・フォード・クライスラーのビッグ3と呼ばれる大メーカーですが、日本ではマイナーなメーカー。その歴史をご紹介します。
1903年にヘンリー・フォードが創立したメーカーで、1908年に発表したT型フォードが大ヒットし、世界一の自動車メーカーへと押し上げました。
T型は、大量生産方式の導入と全米でのアフターサービス体制を作ったことで、累計1500万台を販売したとされています。
しかしその後GMに販売トップの座を奪われます。
その後、大衆車フォードに対して高級ブランドのリンカーンやミドルブランドのマーキュリーなどを立ち上げるも、大ヒットにはなりませんでした。
そんなフォードを救ったのが、1964年に誕生した初代マスタング。
スポーティな2ドアボディにほどほどの性能とすることで価格を低めに設定。豊富なオプションを用意し、オリジナリティあふれる1台を作れることから大ヒットしました。
その後世界的ヒットとなり、日本でも人気が出たのトーラスおよびトーラスワゴン。
1990年代の若者が、いわゆる”ローライダー”と言われるカスタムに仕立てるクルマとして、注目していました。
日本撤退を決めた大きな理由は国内での「販売台数の減少」。フォード車の日本販売は、このクルマが売れていた1996年の23000台がピークで、昨今は5000台弱となっています。
もう1台フォードを代表する人気車は、世界で最も売れたSUVとされるエクスプローラ。
現行モデルは4代目。フルサイズSUVを2リッターエコブーストで走らせます。
フォードのもう一つの顔が「欧州フォード」。ヨーロッパ市場に向けて1967年に設立されています。比較的コンパクトな車種で構成され、足回りも引き締められています。
代表的な車種は、世界販売台数1位のフォーカスと、イギリス国内でベストセラーカーとなるフィエスタ
Cセグメントのフォーカス
Bセグメントのベンチマークとされるフィエスタ
フィエスタに搭載される1リッターターボエンジンは、世界的なエンジン技術賞をとるなど、高い技術力を証明しています。
また新型マスタングは発表後すぐに納車待ちとなるほどの人気でした。
最近は、エクスプローラやマスタングも「エコブースト」と呼ばれる小排気量エンジンを搭載し、アメリカ車の中ではいち早く燃費改善にも積極的なメーカーです。
広島の販売ディーラーも随時閉店、もしくは縮小へと移行するようです。
リコール問題やPL法などの観点から、日本でのアフターサービスは続くと思われます。
Googleとの技術連携など、最新テクノロジーとの組み合わせで大きな進化進が予想されるメーカーです。
ONE FORDの号令のもと、これからも合理的に世界マーケティングしていくのでしょう。
文 イオ ケンタロウ 写真は一部サイトより借用
