今回はイタリア最大にして多くの自動車メーカーを傘下に収めるFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)について。2014年の設立。
日本国内では、フィアット・アルファロメオ・クライスラー・ジープ・アバルトの5ブランドを展開。またランチアやマセラティ、フェラーリなどもフィアットグループの一員です。
フィアットといえば「ルパン三世の愛車」としておなじみのフィアット500。チンクエチェントと読みます。フィアット社は1899年に、工業先進国ドイツやイギリスに追いつけ追い越せの精神で設立されました。
戦後のフィアットを支えた名車は1957のデビュー。
累計360万台を生産した大ヒットモデルです。
これをモチーフにしたのが、2007年のデビュー以来ロングヒットを続ける現代のフィアット500。
愛らしいルックスと走りの楽しさで、日本でも人気を集めています。
チンクに人気が集中していますが、最近はこれの5ドアモデル・500X(チンクX)もじわじわと人気上昇中!
ベースはアルファロメオジュリエッタ。
ジープ・レネゲードとも共通プラットフォームを採用し、グループのスケールメリットを活用しています。
このほかバブル直後の1994年にはクーペフィアットが登場
先進的なデザインで、三菱のスポーツカーFTOに大きな影響を与えています。
一方、スポーツカーメーカーとして始まった アルファロメオの設立は1910年。
一時は経営不振から国営化され、その後フィアット傘下に。
日本で売れたのは、スポーツセダン156
とてもスタイリッシュなセダンで、1990年代後半、比較的若い人から人気を集めたクルマです。
現在アルファロメオは、国内を3モデルでマーケティング。
小型のミト
ミドルクラスのジュリエッタ
そして本格スポーツカーの4C
共通する魅力はデザイン。ただのハッチバックでさえも妖艶な雰囲気を醸しています。
デザインの魅力でいえば、GTVも相当なものです。
FFの3リッター車で、走りは???でしたが、エクステリアとインテリアは魅力的かつ、エンジン音も特徴的で、わかる人はわかるクルマでした。
そして、近々スーパースポーツセダン・ジュリアの登場も予定されています。
またフィアットのチューニングブランド・アバルトは1949年に、カルロ・アバルトがレース車両やパーツ製造・販売を行う企業として創業。1971年にフィアットに買収されています。
現在は500ベースのスペシャルカーを製造・販売しています。
さすがはメーカーの仕事。ベース車両から、エンジンからミッション、足回りやブレーキなどすべてがグレードアップされ、全く別のクルマに仕上がっています。
自動車メーカー以外に、自動車部品メーカーはもちろん、農業・建設用機械や船舶エンジンなども傘下に収める巨大グループ・フィアット。イタリアで最も部数が多い新聞・La Stampaまでも買収。2014年には米国・クライスラーの株式を100%買い取り、超がつくほどの大企業に躍進しています。
※文 イオ ケンタロウ 写真はサイトより借用