2019年が本格にスタートしました。
大発会でのアップル社の業績予想の下方修正による株価下落で始まった平成最後の年。日本では30年続いた”平成”の改元や消費増税など、新たな時代の幕開けとなりそうです。
さて、2018年歴(1-12月)の自動車販売は、軽自動車と輸入車が健闘しています。一方国産登録車(普通車)は、完成検査や代表者の逮捕・勾留などが影響し苦戦する形となりました。
国内の市場は二極化が進み、特にアパレルなど中間の価格帯のものが売れないと言われています。自動車に関しても例外ではなく、維持費の安い軽自動車やコンパクトカー、もしくは割高でもブランド力のある輸入車が人気を集めています。
これまで日本での輸入車と言えば、8割以上がドイツ車を占める市場でしたが、18年はボルボやプジョー、ジャガー・ジープなどの伸びが注目されます。いずれも新型車の積極投入に加え、SUV人気も後押しし、10-20%と大きく販売台数を伸ばしています。
また排ガス問題で揺れたフォルクスワーゲンも、新型ポロの投入などにより、全体的に飽和感があるドイツブランドの中で販売を伸ばしています。
世界的にはSUVが人気を集めています。これまでスポーツクーペやワゴンに乗っていた層から選ばれているようです。20年以上前にブームとなったトヨタサーフや三菱パジェロなどのクロスカントリー4駆とは異なり、乗用車をベースに車高を上げて洗練されたボディデザインで包んだ”街乗り型SUV”がトレンドです。
ベンツのGLシリーズ・BMWのXシリーズ・アウデイのQシリーズやボルボのXCシリーズなど、市場のニーズにこたえるため、各社SUVのラインナップを増やしています。元祖SUVのジープやランドローバーなども、時代に合わせてライトSUVや小型SUVをラインナップし、支持層を広げています。
輸入車の販売台数では、1996年に次ぐ歴代2番目の台数となり、国内新車販売におけるシェアでは過去最大となった2018年。小型化などで手ごろな輸入車が増え、”いわゆる贅沢品”としての偏見も解消されています。価格が上がる国産車に比べ、全体的に安くなっている輸入車の人気は、エコカー減税など一次的な施策に左右されることもなく、「価値観の多様化」という後押しとともに、今後も堅調に伸びていくと思われます。
写真・文 イオ ケンタロウ