ガソリン代高騰の折、使用頻度の高い人ほど負担が増えています。
クルマを所有すると、
【取得段階】自動車取得税、消費税
【保有段階】自動車重量税(車検ごと)、自動車税(毎年4/1の持主)、
【走行段階】揮発油税、地方揮発油税、消費税など
一説にはコンパクトクラスの車を40年所有すると、車両代、税金、保険、ガソリン代、車検、タイヤなど部品代、高速代などで、2500万円以上払うという試算もあります。年間で60万円以上となり、世界と比較してずば抜けて高いのが現状です。
これではますますクルマの未来が暗いと、日本自動車工業会の会長に就任したトヨタ自動車の豊田章男さんが、税金の高さに疑問を投げかけました。
主な先進国と保有段階での税負担を比較すると、、、
イギリスの2,4倍、ドイツの2,8倍、アメリカの31倍です。←3,1倍ではありません
本来、自動車取得税、重量税は本来道路建設や維持のための財源でした。2009年の道路特定財源廃止以降も徴収が続き、いつの間にか一般財源に切り替えられているという始末。
さらには13年を超えた車の自動車増税です。建前としては”環境性能に優れた自動車への乗換を促進”・・ですが、国内にはクラシック・カー愛好家など、複数所有で自動車文化を育てる人たちが、少ないのも納得。こんなことを続けるうちに、クルマ離れが進み、母数が減るので思うように税収を確保できないという循環が始まっています。
タバコのように、好きで乗る人、持つ人は、高くても仕方ないですよね?ということでいいのでしょうか?
これではライドシェアが本格的に進み、裾野が広い自動車産業は、生産拠点だけでなく販売店や協力工場まで衰退していきそうです。
特に地方では、クルマはぜいたく品ではありません。日常の足として活躍する軽自動車まで増税するなか、ランニングコストは低くして、付加価値の高い車両は購入時のイニシャルコストとしてしっかり課税するなど、理にかなった制度の再構築が必要だと思います。
みんな一律に上げて、一部のエコカーなどを引き算するという手法から、付加価値の高い車両には購入時にしっかりプラス課税する足し算方式のほうが、若者や地方のお年寄りに優しい気がします。
経済を中心で担う層からは反発がありそうですが、税制で消費は変わります。
大災害で交通インフラが麻痺すると、地方はクルマなしではどうにもならないのが実情。
狭い国に大きなクルマがたくさん走っていますが、リッター15キロ、300万円くらいの車両で区分し、過剰なクルマには購入するときプラス課税をするなどいかがでしょう?
そもそも2リッターダウンサイジングターボの800万円、高級SUVが、自動車税39500円という制度の方が不自然だと思います。
文 イオ ケンタロウ