クルマの進化と大型化

【日本車の近代史】

エンジン付きのクルマが誕生して100年あまり。

日本でも60年以上が過ぎました。

1960~70年代は国民に自動車を普及させるべくモータリゼーションが進み、国民普及車として当時は360ccだった「軽自動車」制度が生まれました。

1980年代はバブル経済に向かい、日本でもスポーツカーが多く誕生。世界レベルの性能を持つクルマとともに、日本経済が頂点を迎えます。

この少しあとに排気量の大きな3ナンバー車は贅沢として、2000ccを超えると高額な自動車税を課せられていたものが、2500cc以下という括りが誕生し、三菱のディアマンテを筆頭にボディもワイドになり、日本独自の”細長いセダン”は、国際基準になっていきます。

1990年代後半には軽自動車も大きくワイドになり、現在の660ccの立派な軽自動車になりました。

人々がクルマに求める性能も、”スピード””に象徴される「高性能」から、初代プリウスが具体化した「燃費性能」、そしてスバルのアイサイトにより一気に普及した「安全性能」へと移り変わっています。

【クルマの国際化】

1990年代後半の日産とルノーの資本提携から、クルマの国際化が一気に進みました。ベンツとクライスラー、アルファロメオもGMとなり、マツダはフォードが筆頭株主となり経営傘下に入りました。

当然日本車の国際基準と合理化が進み、国内用と輸出用を作り変えていたものも一本化が主流に。当然大きな日本車(3ナンバー)が増えました。

そもそも軽自動車も5ナンバー規格も日本だけのガラパゴス基準です。

【クルマの大型化】

この春新しくなったフォルクスワーゲンの新型ポロも、ついに3ナンバーになりました。

つまりは横幅は数センチワイドになっただけで、排気量は1.2から1.0へとむしろ小さくなっています。プジョーの208も、206の頃は5ナンバーでしたが横幅が広いことで3ナンバーに。マツダのアクセラ(元のファミリア)やスバルのインプレッサも、排気量は1500ccでも3ナンバーです。

これらは世界的な潮流の安全性能、中でも側面衝突の安全性能を高めるために進んでいる事象。エコ・環境という世の中で、決して立派に贅沢になりたくて大きくなっているわけではないのです。

ちなみに、全長4700㎜・全幅1700㎜・排気量2000ccのいずれか1つでも上回ると3ナンバーになります。

【まとめ】

未だ世界的に人気を集めるバブル時代の高級スポーツカー、日産GT-RやホンダNSX、トヨタスープラなど随分大きな印象で、NSXなどは道幅いっぱいの幅広いクルマに見えていましたが、実は全幅1810㎜。フォルクスワーゲンゴルフなどと変わらないのです。

国産でもマツダアクセラなど、比較的コンパクトと括られるクルマもほとんど全幅1800㎜クラス。知らないうちにクルマはどんどん大きくなっています。

合わせて軽自動車も200万円近いクルマが増えるなど、価格も上昇。20世紀後半140-150万円だったカローラやシビックの大衆車ですが、今や下のクラスのフィットやデミオでももっと高額。200万円以下の新車では選択肢が随分狭くなりました。

一方輸入車は高級車の代名詞・メルセデスベンツやアウデイが300万円以下からラインナップされ、プジョー208やフィアット500、フォルックスワーゲンUP!などでは200万円以下でも充分な装備が付くモデルを選ぶことができます。これはコンパクトな輸入車が増えたことが要因ですが、インポーターの努力によるところも大きいのです。

相対的にお買得感が増したコンパクトな輸入車。ステイタス以外に、個性的なデザインやオシャレなブランドイメージを求めて選ぶ人も増えています。

グローバル化により、エアコンやオートマチックなど、輸入車でも日本製が多く採用されています。強い個性と引き換えに故障しない安心感を実現しており、いまこそ輸入車を手軽に楽しむチャンスと言えそうです。

文   イオ ケンタロウ

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