新燃費基準
燃費性能はクルマ選びの大きな基準です。
古くは10モード燃費、最近はJC08モードなど、長らく続いた日本独自の燃費基準が変わります。今年後半から世界基準の「WLTCモード」に。測定する場合の平均速度が高くなったり、市街地での停車時間が短縮されたりと、ハイブリッドとアイドリングストップ機能を搭載したクルマが有利だった測定は、全体的に数値が低く現実に近いものとなります。
これまでの1つの燃費値に対して、WLTCでは、
WLTC-L(市街地)・WLTC-M(郊外)・WLTC-H(高速道路)・WLTC(総合)の4モードが併記されることに。これまでリッター35km/ℓといっても、JC08の測定方法に合わせてクルマを作っていたので、その6割程度が実燃費でした。
WLTCになると、国産/輸入車問わず、より実情に即した数値がカタログに記載されることになります。
完成検査
昨年日産に端を発した完成検査問題とはいったい何でしょう?
完成検査がなければ、新しいクルマは1台ずつ車検場(陸運局)に持ち込み登録することになります。これを書類だけで新車登録できるシステムが、メーカーに委ねられた完成検査です。認定工場でなら、陸運局にクルマを持って行かなくでも車検に合格できるようなものです。
この検査が自動車メーカーに委任されています。有資格者は国家資格があるわけではなく、国のガイドラインに沿ってメーカーごとの権限で決められています。
そもそもこのような制度は欧米にはなく、日本独自の時代に則わない制度という声も。
このようなものは無くても、国産メーカーは工場出荷時に、世界一厳しいとされる品質検査をしており、不備のあるクルマはそこで弾かれます。
国がメーカーにお任せし、しかし制度と維持することで、手間が省け威厳は保たれるという面もあり、メーカーだけが悪いと言い切れない問題と言えそうです。
自動運転
自動車業界を超えて、各先端企業が開発を競う自動運転。
一括りに自動運転と言っても、単なる補助から完全自動まで5つのレベルで分けられています。
レベル1 ステアリング操作、加減速のどちらかをクルマが補助
レベル2 ステアリング操作と加減速が連携して行われる
レベル3 高速道路など特定区間で運転操作を自動化
レベル4 市街地を含む道路で自動運転
レベル5 全走行領域で完全自動運転
現在実用化されているのはレベル2。
レベル2は、人は運転に対して常にスタンバイ状態でいないといけません。
レベル3では、高速道路ならクルマにすべてを委ねられます。
2020年までに、レベル3は実用化されると言われています。
もしもの時、自動車メーカーが責任を負うのか、または運転者なのか?
場合によっては推し進めた国が責任を負うのか?
技術の進歩もさることながら、法整備も含めてまだまだ超えるべき課題は多いと言えそうです。
文 イオ ケンタロウ