乗用車をサイズで分類するとき、欧州ではBセグ・Dセグなど、ボディサイズでクラスを分けています。
Cセグメントは、VWのゴルフに代表される世界のスタンダードサイズ。
全長4.2mから4.5m、排気量1.6~2.0ℓが目安。
国産車ではマツダアクセラやスバルインプレッサなどが該当します。
世界的な流れにもれず、1990年代までは4m前後だったこのクラスも、随分と大きくなっています。
時代によって流行りはありますが、いつの時代もCセグメントが各メーカーのスタンダード、あるいは売れ筋に。最近はプレミアムブランドと言われる、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどもこのクラスに参入し、力をいれています。
Cセグメントの代表車種・世界のベンチマークはVW ゴルフ
日本では意外な感じですが、世界的にはゴルフ同等の人気を集める フォードフォーカス
そしてここ10年はドイツプレミアムブランドがCセグに熱心。その流れは1997年に登場したメルセデス・ベンツAクラスから始まっています。初代プリウスが登場した年に、メルセデスもエコロジーを具現化する車種を投入。
2世代続いたバッテリー搭載を想定した二重床構造やエンジン斜め搭載と決別し、現在は車高が低くスポーティなFFハッチバックになっています。
これをベースに
Bクラス
GLAクラス
CLAクラスなどを展開
BMWは1シリーズを2世代に渡って展開中。E90型3シリーズをベースにした初代はこちらえ
現行モデルは11年に新世代プラットフォーになったF20型1シリーズ。
アウディは1996年から3世代にわたりA3を展開
現在はMQBという新型プラットフォームを採用した3代目。
同じグループ内のゴルフとは異なる、より質感の高い内外装や動力システムで差別化に成功しています。
プレミアムブランドが本格的にCセグメントモデル投入するまでに、いくつかの紆余曲折も。
メルセデス・ベンツはCクラスをベースにしたハッチバック
BMWは3シリーズベースのハッチバック・Tiで、市場の様子を見ていた時期も。
いわゆるベースモデルのリアを切ってお茶を濁す感じ・・
2013年、ついにボルボもV40で、激戦区のCセグに本格参入。
長らく世界のスタンダードクラスをとして、VWゴルフをはじめ、プジョー308やルノーメガーヌ、オペルアストラなど、各メーカーを代表する大衆モデルがひしめいていたCセグメント。先進国の排ガスの総量規制などから、プレミアムブランドも小型化に向かわざるを得ないため、最近はますます幅広いメーカーから役者が揃っています。
これをベースにSUVやワゴンなどを派生させているので、このクラスの重要度は増すばかり。
セダン市場とワゴン市場は輸入車に席巻されていますが、いつの間にかCセグハッチバックも輸入車ばかり。国産はもう1クラス下のアクア・フィットなどのBセグが人気。
ハイブリッドとミニバンにかまけているうちに、いわゆるオーソドックスなタイプは輸入車優位になっています。
ゴルフに代表される「変わらないこと」が、多くの人の安心につながっているといえ、Cセグ人気において、その功績は大。1台でファミリーユースからロングドライブ、買い物まで無理なくこなせるのがCセグメント。その高バランスゆえに、長らく世界のスタンダードなのです。
プリウスもゴルフもベーシックモデルは同じ249万円。
どちらも魅力的ですが、長く乗って飽きないのは、走ることに重きを置いているゴルフということになりそうです。
写真はサイトからも借用 文 イオ ケンタロウ