テスラモーターズをはじめ日産リーフ、三菱のi-ミーヴなど、スマホの普及に呼応するかのように、電気自動車が認知され、普及しています。とは言っても国内でのEV比率はまだまだ一部であり、中国や北欧など、スマホ普及ほど本格化していません。
中国などは、何がなんでもEVという姿勢を貫く一方、トヨタをはじめとする日本勢は、カーボンニュートラルを掲げる政府と足並みが揃わず、むしろ慎重姿勢を表明。その裏にはどんな事情や思惑があるのでしょうか?
実はバラバラな姿勢
EVに対する各メーカーや国の姿勢はまちまちです。先進国の中でEV化を法的拘束力を持って宣言しているのはイギリスのみ。メーカーでもジャガーとボルボが完全EVを宣言しているくらいで、アメリカではカーボンニュートラルをトウモロコシ燃料などで実現する方法も同時に研究開発しているようです。
EV化の要 バッテリー
EV化を進めるにあたり必ず問題になるのが、まずはバッテリーです。続いて電気充電スタンド。そしてその電気をどう賄うかという発電問題。様々な課題があります。車専用バッテリーの製造は、中国・韓国・日本が大半を占めており寡占状態にあります。そしてその原材料のレアアース争いが繰り広げられています。この資源戦争は中国が一歩リードしており、レアアースのなかでも中国が独占するコバルトでなく、ほかの方法でバッテリーを作る方法を模索する国やメーカーが増えているようです。
自動車先進国 欧州の動き
Volkswagenは2025年までに30車種の電動車を市場に投入すると発表。また国策として、企業価値を経営状況だけでなく、環境や社会性という観点からも評価する考えが導入され、企業や政治家が投資を促すことでEV化が加速している面もあるようです。
まとめ
100年以上の歴史を持ち、世界中で化石燃料を燃やしてきた自動車は、環境負荷の面から変わらざるを得ません。エンジンの小型化やハイブリッド、高速で効率の良いディーゼルエンジンなど、内燃機関をベースに高効率を目指してきましたが、バッテリー技術の進歩により走行距離が延び、EVという選択肢が一気に現実化しました。また資金面からも積極姿勢を示す方が情報もお金も集まりやすい。一方バッテリーコストが思うほど下がらないリスクや電気供給の面で思ったほどEV化が進まなかったら、目標の先送りをするために法制化まではしていない。多くの国ではこれが実情です。EVにまい進するメリットは十分あるけど、本当に普及するかは今のところ未知。先のトウモロコシバイオエタノール燃料をガソリン代替にカーボンフリーを実現する「解」も。
いずれにしてもEVでなく電動化(ハイブリッドなど含む)はますます進み、純粋なエンジンだけの車は急速になくなっていくことは間違いはなさそう。今さらエンジンは・・・と言っても、しばらくは電動化が進み、エンジン並みに走りそれより安いEVが実現する時まで共存するものと思われます。
文 イオ ケンタロウ