最近、住宅に食品、ガソリンにケータイなどいろんなものが高くなっています。クルマの例外でなく、フィットやヤリスなどコンパクトハッチバックが200万、それらをベースにSUVにしたヴェゼルやヤリスクロスは250万円以上します。プリウスも300万円を超え、セレナやノアなどの5ナンバーミニバンもそのくらいのプライス。平均所得が伸び悩むなか、マークXからアクア、スカイラインからノートなど、おのずと車選びのダウンサイジング化が進んでいます。
一方輸入車はブランドにもよりますが、それほど値上げしていません。
そこで多くの人にとって現実的な予算となる300万円を上限に、おススメ輸入車をピックアップしてみます。
トータルバランス部門 フォルクスワーゲンポロコンフォートライン
263.9万円
フォルクスワーゲンのコンパクトカーポロですが、現在のモデルは1クラス上のゴルフなどと同じプラットフォームを使用。横幅176cmで3ナンバーとなります。これにより乗り心地がかなり良く、シートのサイズも大きいので長距離移動でも疲労が少ないです。筆者は旧モデルと現モデルどちらも乗っていますが、同じポロでもデミオとアクセラ(いずれもマツダ)くらい違います。今風のLEDヘッドライトで見た目もかっこよく、居住空間も十分な広さです。また1リットルエンジンなので、自動車税が3万円以下。ダウンサイジングターボは全域で低燃費なので、経済性にも優れています。満足ポイントはVWらしく重厚なドアの閉まる音。軽さを重視した国産車とは違い、乗るたびに所有する満足を味わえるところが、プライス以上の価値だと思います。
見た目部門 フィアット500c Cult 266万円
おなじみルパンで人気を得たフィアットの現代版、しかもオープンモデルの最新型。現行型は2007年のデビューから14年を経ていまだ魅力的な見た目と鮮度をキープしています。この車の魅力は、小さなボディと、スイッチ一つで解放感を味わえるカブリオレというところ。乗ると実感するのですが、上部のみほほぼフルオープンになり側面はそのままというのは、解放感と安心感を高いところで両立しています。プラットフォームは先代パンダのもので古く、その古典的な乗り味が、剛性とか衝突性とかを問う現代の車とは違った魅力です。クルマというより自動車。デュアロジックというシングルクラッチの5速ミッションと、70馬力足らずの1,2リッターエンジンで、街ナカでも一生懸命に走る姿までもいとおしいく、偏差値教育、論破などスペック重視の世の中を横目に、我が道を楽しめます。
イメージ部門 プジョー2008 Allure 303万円
プジョーのコンパクトカSUVモデル。3万円ほどアッパーラインを超えていますが、消費税込の価格なので、純粋な車両価格では300万円以下とご理解ください。どうしても300万円以下ということなら、208のAllureなら267,1万円です。208と2008は実質同じ車で、ボディの底上げとSUVとしてのパネルデザインが異なります。この車Bセグメントとしてはボディサイズが大きく、さらにデザイン的にも大きく見えるので、イメージ的に400万円くらいの車に見えます。またe-2008、e-208という完全EVモデルもあり、先進的な方々にも好まれています。さすがにEVモデルは400万円を超えますが、見た目は内外ともほぼ一緒。またこのガソリンモデルAllureの1,2リッターガソリンエンジンは、ヨーロッパ・カー・オフザイヤーを受賞したもので、パワーと低燃費をいい感じに両立しています。FFでも特殊なデフで悪路走破性にも優れ、8速ATで静粛性も良。アクティブかつ高そうに見え、駐車場にあるだけで先進的な価値感をアピールできます。
走り部門 アバルト595 MT 300万円
サソリのマークが付くフィアット500のスポーツモデル。メルセデスとAMGの関係のように、フィアットのエンジン、ミッション、サスペンション、ブレーキ、シートなどをアバルト社がスポーティーなものへ換装しています。これまたベースとなるシャーシが古いので、乗り味は昭和のスポーツハッチ。今どきアイドリングストップも自動ブレーキもついていません。ボディはタテヨコ360㎝,162㎝でホイールベースは230㎝しかなく、軽自動車のよう。一方輸入車らしく高速でも安定しており、低音が効いた排気音と合わせて全域でスポーティーなクルマです。筆者は、今新車で購入できる最後の昭和的クルマと思い、購入しました。魅力ポイントは、可愛いのに速い、小さいのに高い、スポーツなのに爽やかなどの二面性です。カスタムパーツも多く、飽きることなく長く乗れるクルマだと思います。
文 イオ ケンタロウ