輸入車と日本車とコロナ

BMW ALPINA

新型コロナウイルスの感染拡大が心配されるなか、経済的打撃を恐れる声も日々大きくなっています。

世界的な活動鈍化により、自動車メーカーも国内外問わず生産を縮小。輸入車も3月中旬以降発の船便からは影響を受けるブランドもあるようです。

さて、いろいろ不安定な状況ですが、こんな時こそいろんな角度から考える柔軟性もいると心がけています。

最近知ってる方がBMW5シリーズを買いました。じっくり乗らせていただき最新モデルやこれからの自動車について考える機会に。まず自動車が出す排ガスを抑制しようと、21世紀の自動車は低燃費などエコ技術を大きく進化させてきました。自動車先進国のヨーロッパはディーゼルターボを推進し、日本車はハイブリッド技術で課題解決に挑戦。高速走行ではハイブリッドに比べ高負荷で本領発揮のディーゼル技術が有利。一方渋滞などストップ&ゴーが多い島国日本ではエンジンが止まる時間が長くモーターが補助するハイブリッド王国に。しかしディーゼル排ガスの不正問題でディーゼルの雲行きは怪しくなりました。そんななか、先のBMWオーナーはNAエンジン最後の530から最新の523をチョイス。3リッターのストレート6から4気筒2ℓターボへとダウンサイズとなりました。

エンジンが好きで530に13年乗った方の感想は”十分なパワー”。滑らかさを差引いてもあり余る低燃費 で技術の進化を称えていました。

ディーゼルが印象的なヨーロッパ車ですが、この10数年は低排気量ターボを推進してきました。パイオニアは2006年のフォルクスワーゲンゴルフTSI。ゴルフ5のマイナーチェンジで、それまでの直噴2ℓエンジンを1,4ℓターボへ。併せてトランスミッションも世界初のデュアルクラッチ式というATとMTの良いとこ取りをしたものを搭載し、驚きのハイパワーと素早く滑らかな変速を実現。「燃費は無視できないけど走る気持ちよさは捨てられない」という層から大きな支持をえました。

その後アウディやメルセデスベンツ、BMWでも低排気量ターボ化は急速に進み、今や2トンクラス(従来の4リッタークラス)の重量級車種でも2ℓターボで走らせています。身近な車種ではフォルクスワーゲンポロは依然1,4または1,6リッターが主流でしたが今や1ℓターボ。ヘビーデューティーなJEEPラングラーも3,6リッターから2ℓターボへと変わっています。

一方国産車はあまり低排気量ターボに熱心ではありません※。一時ホンダがステップワゴンなどに1.5ℓターボを搭載。2ℓNAのノアやヴォクシーに対抗したのですが、日本車の多くはハイブリッドを高級グレード化しており、ハイブリッドは実燃費でも有利かつブランド化に成功したということで、ユーザーもメーカーもハイブリッドを推進の背景があります。※ライズやロッキーなどあり

輸入車の多くは日本よりもスピードレンジが高い国のクルマです。よってハイブリッドよりも低排気量ターボやディーゼルターボがコスト面含めて有利。併せてハイブリッド技術の多くをトヨタが独占していたという側面もあります。ブレーキも国産車の基準からはオーバースペックなものが装着されており、サスペンションもしっかりした車種が主流です。数値上の剛性や強度は引けを取らなくても、乗り味が良かったり固定のファンがいるのは、やはり高速使用を前提とした高性能が裏付け。一朝一夕では実現しづらい感性領域に優れるといえるかもしれません。

最近は日本車もヨーロッパ車のいいところを取り入れ、ヨーロッパ車やアメリカ車も低燃費や経済性を実現してきた輸入車。その差異が小さくなるなか、未だ加速感や高速性能を重んじる輸入車に対して国産は経済性第一主義。新型トヨタヤリスなど、リッター40キロ走ることもあるそうで、発電所で間接的にCo2を出すEVとどちらがエコロジーか分からないくらいの数値。電気スタンドの実現まで考えるとエンジン技術はしばらくなくならないように思います。

これから自動車販売に悪影響が出そうななか、乗り換えるならオークション相場が下がる前に1日も早く売却することが吉。また先進技術やプラットフォームなど好景気を背景にしっかりコストをかけて開発された今現在の新車が良。これからはバブル後の日本車のようにコストカットが目立つ新型が続出するかもしれません。

自動車は完全なプライベート空間。他人と密集・密接・密着することなく快適に移動できる時代が求める乗り物。経済を支える意味でも、お得な条件が出そうな今から購入を検討するもの、生活にハリが出ていいと思います。またマツダなど下落メーカーの株式も、その技術力からするとほったらかしのままとは思えず、いいことあるかもしれません。

写真/文   イオ ケンタロウ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
And CAR 広島について

輸入車ディーラーのことやメンテナンスメニューのことなど、クルマのことなら何でもご相談ください。
概算見積りも、ディーラーに問い合わせることなく、メールで依頼ができるので簡単・便利!
AndCAR広島のサービスや情報に納得したら、お気に入りのクルマを契約。車検や保証のことなど、買ったあともフォロー。
皆さまの より良いカーライフをサポートします。