SYKACTV技術でイメージを刷新したマツダクリーンディーゼル・第一弾は、2012年に発売されたCX-5でした。過去の東京都知事が、ディーゼルNO!と叫んだこともあり、日本ではイメージが良くなかったディーゼル車に市民権を与えたのはこのクルマです。
環境性能に対する技術は、「ハイブリッドの日本車」vs「ディーゼルの欧州車」
単純にJC08モードリッター○○km/lという比較でなく、燃料代まで含めたコスト計算では甲乙つけがたい勝負となります。
本来ディーゼル大国のヨーロッパですが、ディーゼルを日本に輸入することに積極的ではありませんでしたが、昔からディーゼルを入れていたのがメルセデス・ベンツ。
EクラスにCDIというディーゼルモデルがありました。
今みたいにディーゼルが流行る前から輸入し続けていることに、メルセデス・ベンツの良識を感じます。
今は新型のCクラスやEクラス(これから追加)に220dというディーゼルがラインナップされ、人気を呼んでいます。
同じくドイツプレミアムブランドで、ディーゼル販売を大きく伸ばしているのが、BMW。
BMWはガソリン、ディーゼル、EV、プラグインハイブリッドと、環境技術をフルラインナップしています。
「海外に熱心な日本車」と、「日本市場に本気な輸入車」という構図が、BMWから見て取れます。
同じくBMWグループのMINIもディーゼル推し
スウェーデンのボルボも各車ディーゼルモデルの投入に積極的です。
そしてついにはフランスのプジョー・シトロエンも最新ディーゼルHDiを入れ始めました。
308.508. シトロエンC4.DS4と一気に搭載車種を増やして、販売増に取り組んでいます。
一気にディーゼルが日本に入り始めたのは、
①ディーゼル人気が高まったから
②日本の厳しい排ガス規制に対応できるようになったから
などの理由です。
そして輸入車が日本市場に本気なのは、それぞれのディーゼルモデルを比較的安価に入れていることです。
マツダはこのことに脅威を感じ、先日マイナーチェンジしたアクセラのディーゼルに排気量の小さな安価モデルを追加しました。
ディーゼルを高級路線で売ろうとするマツダと、もともと得意分野なので、普及モデルとして売る欧州車。
そもそも日本以外の多くの国では、ガソリンとディーゼルの燃料価格は同じとのこと。
日本では軽油に課せられる税金が安いので、2割程度安くてなっています。
燃料代が安く燃費も良好、さらには車両価格も大きく違わないとなれば、ハイブリッドだけが優位という構図は変わってきます。
特に輸入車の多くはディーゼル大国生まれ。力があり燃費に優れて、さらにはトラックやバスからもわかるように、耐久性も群を抜いています。
ここは国が税制を変えてくる前に、輸入ディーゼルに乗るのが、”わかっている人”の選択といえそうです。
ただ、ディーゼルは構造上、近所のちょい乗りばかりだと、エンジンに煤がたまりやすい傾向。割と長距離を乗る人向けのエンジンということはお忘れなく。
以上、ディーゼルのススメでした。
文 イオ ケンタロウ 写真はサイトから借用