若者のクルマ離れと言われて、どれくらいになるでしょうか?
21世紀はじめワタクシも20代半ばという若者でしたが、すでにそのころに傾向はあったように思います。
街でオシャレなカップルが、ボロボロの軽自動車に堂々と乗っている姿を見るようになりました。まるでクルマに興味がないことが、むしろカッコいいというメッセージを発していたように思います。
80年代、デートカーともてはやされたクルマの地位低下は、20世紀後半バブルの崩壊とともに始まっていたように思います。
なぜ、このようパラダイムシフトが起こったのでしょう?
その端境期を生きた世代として、いくつか私見を述べてみたいと思います。
1.教育
環境問題を学ぶ場で、80年代の子は工場の煙が公害を・・と学びました。90年代の子どもが自動車の排気ガスが環境を破壊・・・という教育を受けているようです。
2.賃金の低下
今の40代前半以下は、バブル崩壊後の社会経験しかありません。派遣など非正規雇用が増えた世代でもあります。興味があっても買えないというケースから、風潮が広がったのしょうか。
3.免許取得費用の高騰
最近自動車運転免許をとるのに、30万円以上かかるそうです。親世代の所得が伸びないなか、親のお金で免許を取るということが当たり前ではない時代。まずここからハードルが上がっています。
4.駐車場・維持費
地方都市でも中心部は駐車場が月に数万円、都心では7万円くらい当たり前にするようです。2年に1度の車検制度や税金・保険など、クルマ本体以外にお金がかかりすぎ。自己表現の手段が増え、それでも欲しいというほど憧れはないようです。
5.ネット社会
昔は友達もカップルも回線電話でコンタクトをとっていました。これではプライバシーが守れないので会うことが一番。今はメールどころか、LINEなどソーシャルメディアで日常を共有でき、そもそも外に出ることが減っています。また買い物もネットの方が便利となれば、必要性自体が下がっています。
6.交通機関の発達
都会では、渋滞などでクルマ移動は非効率です。クルマへのあこがれがなくなれば、便利でもなくコストもかさむものから離れるのは早いはずです。むしろ自転車の方が速い・・というのもうなずけます。
この他様々な要因があると思いますが、環境・エコというなかで、クルマの付加価値性が下がり、移動する1手段になっているようです。
翻って冷静に分析すると、地方では当てはまらないことも多数あります。
東京一極集中が生む偏った情報の加速の面もありそうです。
田舎において、クルマは生活必需品です。
また、子育てファミリーにとっても、クルマのプライバシー性は魅力。
つまり、地方においては、若者のクルマ離れはそれほどでもないと言えそうです。
ましてファミリー層にとってクルマは必需品。
感性が豊かで多感な時期こそ、どのクルマに乗るかが大事。
軽のハイトワゴンから始まるカーライフで、操縦する楽しみに関心を持つはずがありません
トヨタがアメリカで展開してきた若者向けブランド・サイオンが撤退するそうです。
トヨタbbなど、媚びた商品は嫌われていくものです。
輸入車はコンパクトカーでも、基本性能をしっかり作り、運転する楽しさを感じられるものが主流。古くても個性的で愛着が湧きます。
中古車なるとグンと安くなったりするので、若者のカーライフは中古輸入車からスタートしてメカや基本性能への関心を育て、未来のクルマ好きを増やすことがとても大切。
いいものへの憧れを育てないと、マーケットの発展は期待できませんから。