モータスポーツの世界
F1(フォーミュラ1)に代表されるモータースポーツの世界。
日本ではイマイチ定着しないままい今日に至っています。
一方欧米では、アメリカのインディーや欧州のラリーなど、日本の野球のように市民権を得ており、そこでの戦績が、クルマの売れ行きに影響するそうです。
日本では80年から90年代初頭のF1ブームでホンダのスポーツイメージが高まって以来、見ることのない現象です。
大きくは”世界戦”と”国内戦”の2つ。いずれも世界自動車連盟(FIA)が統括し、その下に、日本でいえばJAFのような管轄団体があります。
世界戦
世界選手権には、大きく以下の5つあります。
①フォーミュラ1②世界ラリー選手権(WRC)③世界ツーリングカー選手権(WTCC)④世界耐久選手権(WEC)⑤世界ラリークロス選手権(WorldRX)
国内戦
JAF(日本自動車連盟)がライセンス発給や記録の公認などを管轄。以下の4つがあります。
①スーパーGT③スーパーフォーミュラ③全日本ラリー選手権④F3
これらの下に準国内格式のFJやヴィッツレースなどがあります。
様変わりする規定
世界最高峰のモータースポーツ・F1も、時代とともに、その姿を変えています。
世界戦としてのF1は1950年にはじまっており、当初は4.5リッターエンジンで、アルファロメオ、フェラーリ、マセラティの3メーカーによる戦いだったようです。2014年からはそれまでの2.4リッターV8エンジンから、V6の1.6リッターターボとなり、環境にも配慮しています。
世界ラリー(WRC)も1.6リッターターボに。車体重量1200kg以上、フルタイム4WDなど規定されています。
日本で最大の人気となる「スーパーGT」。全日本ツーリングカー選手権(JGTC)を前身としています。GT500と300が混走し、GT500では、ドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規定を統一。世界基準の車体となっています。
まとめ
いずれのレースも速さ競争。かつて大排気量、最高速度のさらなる追求で進化してきたモータースポーツですが、F1アイルトンセナの事故や環境問題などから、若干のスピード抑制、環境負荷の軽減などにも取り組んでいます。
電気自動車フォーミュラEなども出てきていますが、まだまだエンジン、そしてその排気音とともに高まるスピードに、その魅力の根源があると思います。
日本は基本的に単一民族で平等主義。モータスポーツは貴族の娯楽という一面もあり、なかなか定着しなかった面もあると思います。一方、自動車の技術を高めるのは、やはり過酷な環境で戦うモータースポーツです。自動車はグローバル商品。今や日本メーカーでも国内販売は数十%に過ぎないことを鑑みると、今後世界で地位を高めるために、モータースポーツは”必要不可欠”と言えそうです。
文 イオ ケンタロウ 写真はサイトから借用