クルマと政治

トランプ大統領が来日し、総裁との親密ぶりが大きく報じられました。

北朝鮮問題と並び、日米間で問題視されているのが貿易不均衡。

トランプ大統領就任から1年になりますが、その直前にフォードは日本から撤退しています。

今のところ大きな動きのない「アメ車」ですが、日米の親密ぶりをみると、今後はアメリカ車を拡販せざるを得なくなる気がします。

1990年代、過去にはアメ車拡販のために、トヨタが一肌脱ぎました。日本車風に仕立てた「キャバリエ」というクルマは、それなりに宣伝もされ認知も上々。しかし販売は思うように伸びなかったと記憶しています。

誰も日本車風の外車は求めてなかったということで、フォードもこの時期、ヨーロッパフォードのクルマは輸入をストップし、エクスプローラやトーラスなどの大型車に注力しました。

その時期、原油価格は上昇し、国内では初代プリウスが登場。エコカーがもてはやされる時代になり、ガス食いのアメ車の需要はますます減っていきました。

これらの変遷を踏まえ、今ひとり元気なFCA(フィアット/クライスラ-/オートモビル)は、”Jeep”ブランドで、SUVブームにも乗り、販売台数を伸ばしています。

デビューしたばかりのJeepコンパスも、上級車種グランドチェロキーの雰囲気があり、昨今のSUVブームに乗れそうな雰囲気。しかしネックが2400ccという排気量。国内では1500~2000ccで区分され、2001~2500ccの括りでは自動車税が上がります。

多くのヨーロッパ車と異なり、アメ車は”レギュラーガソリン”でOKなため、燃費よりもむしろ大排気による税金が問題となりそうです。

今や大排気量が少ない自動車マーケットにおいて、大きな排気量には大きく課税する というのは税収という意味でも効率的ではありません。トランプ大統領のビジネスセンスからすると、このあたりに注文が入るのではないでしょうか。

20世紀後半のバブル期前は、2000ccを超える3ナンバー車の自動車税は、大きく跳ね上がっていたようです。今は2500ccまでという括りもでき、随分是正されましたが、4000cc前後の車種が多いアメ車にとって、日本の税制がネックなことは間違いありません。

山間部などでは生活必需品の軽自動車の税金を引き上げるより、大きなクルマの税を引き下げ、「損して得取れ」の精神で、そのマーケットを拡大させる方が発展的です。

アメリカ政府も一丸となって、アメ車らしいアメ車・大排気拡大キャンペーンを、映画界などと一緒に盛り上げてくれるはず。

”外車”と言っても、サイズの割りには割安なアメ車。

グローバル化が進み、今やフィアットの技術も入るなか、排気量問題が改善すれば、今や性能的には進化している”アメ車”に、風が吹くのではないかと思います。

文   イオ ケンタロウ

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