「エンジンオイル」。この言葉を知らない人はいないほど有名なものですが、わかっているようで良くわからないもの。
動物にとっての血液のようなもので、クルマには欠かせないものです。
最近のトレンドはエンジン保護性能を維持しつつ、省燃費性能を向上させる低粘度オイルが主流。
【10W-50】という粘度表記について
Wの10は低温始動性を表す規格で、この数字が小さいほど低温始動性が良くなります。
後半の数字50は、100℃時の動粘度によって分類される高温側粘度で、この数字がオイルの選択に影響します。数字が大きいほど固くなります。
最近のオイルが0W-20というさらさら系のものが多いのは、低粘度のオイルで高温でも潤滑を維持できる加工精度を実現しているため。
さて、最近輸入車を中心に増えている「ダウンサイジングターボ」
昔のエンジンは燃焼温度が900℃以下と言われるなか、ダウンサイジングターボが1000℃以上で燃焼させているそうです。
根本的に昔のエンジンと燃焼に対する考え方が違うなか、直噴などは超希薄な燃料で爆発させています。
このようなエンジンに添加剤で潤滑性を上げた高性能鉱物油をいれると、亜鉛やリンなどが高温で酸化して、スラッジに。これがバルブやピストンに蓄積してエンジントラブルになったりします。なので、ベースオイル本体がイイモノでなければならず、化学合成オイルが必須となります。
最近の輸入車の多くは、廃油を減らすという視点から、15000~20000㌔ごとの交換を推奨するものが増えています。
基本的にはメーカー指定の純正オイルを、指定の時期で交換すればいいのですが、日本は高温多湿で渋滞も多い、クルマにとってシビアなコンディション。まずは純正指定オイルが鉱物油なのか化学合成油なのか、また交換直後と交換指定時期ではオイルの汚れや粘度はどう変わっているかなど、把握しておくのが理想です。
ディーラーまかせ、メカニックまかせもいいですが、最近のクルマは実はとてもシビアな状態で燃焼しています。
この機会に、エンジンオイルに興味を持ってみてください。
文 イオ ケンタロウ