くるまとスマホ

日本でのケータイなど移動体通信の契約数は2億4000件と言われます。。その普及率はおよそ200%。一方自動車の保有台数は約8千250万台くらいです。

自動車は1960年~70年代ごろ、国民車構想のなか軽自動車を軸として普及しました。国民に自由をもたらした反面、交通事故による死者は年間3万人を超え、交通戦争などと言われるまでに。しかし便利で快適、ステイタスシンボルでもある自動車に大衆は夢中になり、誰にもその普及を止めることはできませんでした。

一方、インターネットの普及も2000年前後から一気に進み、さらにはここ10年でスマートフォンが普及したことで依存症が増え、世の中の在り方が大きく変わっています。コミュニケーションはsnsやメールで済み、メディア報道もスマホ動画が基本に。さらには消費の要となる決済も電子決済が進み、今や世界はスマホに支配されていると言っても過言ではありません。

ものの普及は、最初の黎明期があり、のちに一気に普及する成長期、そして安定期が続いたのちに、衰退期となっていきます。戦後日本の経済を支えてきた自動車と家電は、家電が先行し遂には自動車も衰退期を迎えています。2000年前後のミニバンブームのあたりから自動車の白物家電化が言われていましたが、輸入車ブームやSUVブームを踏まえながらも、多くが よりいいクルマを欲する時代は過ぎたように思います。

スマホの世界はどうでしょう?様々なアプリケーションやオンラインシステムが開発されてはいますが、この20年で成長期から安定期に向かっていると言えそうです。

軍事から来たインターネットは、世界と一瞬でつながる画期的な技術でした。プライベート空間でいつでも好きなところに行ける自動車も、当時の人々に”自由”というものを与えてくれたと思います。いずれも便利で魅力的な反面、負の面も大きくあるのですが、こんな便利で魅力的なものの普及は誰にもとめられません。

しかし法規制が厳しくなるにつれて魅力がなくなるという面があります。自動車は福岡での追突事故がきっかけで飲酒運転が厳しくなりました。さらに最近では象徴的なあおり運転により、ドライブレコーダーが普及し、道路交通法も改正され、もはや四方八方による監視のなかクルマを走らせることになっています。

インターネットのなかは何を検索しようと、誰と繋がろうと、さらには匿名で他人を攻撃しようと法制度が遅れています。ある意味自由なのです。ですが、誹謗中傷により命を絶つなど不利益を被る人が後を絶ちません。遅かれ早かれ法規制の整備が不可欠。「昔はちょっと飲んで運転」が良くあった?ように、「昔はネットで好きなこと書けた」という時代が来るかもしれません。

いつの時代も人々を夢中にさせるのは「自由」というキーワードです。

物理的精神的に自由をもたらしてきたからこそ魅力的だった自動車は、がんじがらめの規制・そして管理の中にあります。しかしコロナ渦により都市一局集中という呪縛から自由になると、自動車は生活必需品に。時代はまわり、インターネットが可能にしたオンラインによる働き方により人々が分散することで、もう一度自動車が生活に入り込み見直されるのであれば、ケータイにお金がかかるからクルマ離れが進んだのではなく、むしろ地政学的なものが原因なのかもしれません。

文 イオ ケンタロウ

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